自分の持っている物の価値はいくらなのだろうか。
今回は世の中の商品がいかにして、どんなタイミングで・どのくらい値段が下がるのかを解説してきたいと思います。
メーカーの希望小売価格に始まり、そこからの各販売店の価格競争・値下げ戦争を経て、人の手に渡った中古品がいかに価値が落ちてしまうのか。
実例付きで解説します。
記事ではこんなことが分かります。
・SONYなどの定番液晶TVの量販店・オークションなどの新品中古での流通相場 ・リユース店の買取価格
世の中の販売価格の序列
メーカー希望小売価格(1次流通の希望小売価格) →定価
新商品として世の中に流通する際の価格の決定はメーカーに委ねられます。
これがメーカー希望小売価格といい、俗にいう定価と呼ばれるものです。
プレミア価格などの例外は除いて、世の中で一番最初に売りだされる一番の価格です。
ディスカウント価格(1次流通の新品最安価格) →新品最安
メーカー希望小売価格とは異なり、販売店主導で価格の設定が行われます。
これにより、販売店同士の価格競争や、在庫状況などの事情も絡み、定価より安い物となっていきます。家電量販店やネットショップなどが典型ですね。
オークションでの未使用品の価格(2次流通での新品相場) →ヤフオク新品
2次流通とは1度購買され人の手に渡ったものが、再び売買の場に商品として流通することを指します。
未使用品をオークションに出した場合の価格をご紹介します。
オークションでの中古品相場(2次流通での売買価格) →中古相場
中古品にもある程度の相場があり、コンディションや入札のタイミングによりばらつきはありますが、一定の価格帯は存在します。
これが中古相場と呼ばれるものです。
買取店の買取相場
中古相場を元にリサイクルショップなどが出す査定額です。
中古相場を元に買取金額を算出するため、当然中古相場より安い金額となります。
業者によりさまざまな買取価格の設定がありますが、僕の経験上の目安金額をお伝えします。
・このように定価を筆頭に販売価格にも上下があり、さらにSALEやアウトレットなども存在することで、単に新品といっても買う場所や買う時期によりかなりの価格差があります。
前置が長くなりましたが今回は家電の中でも中古需要の高いテレビを例にとり、ご紹介していきます。
まずは最新モデルとしてSONYストアで販売されているTVのなかから、一般的なサイズ・価格のブラビアKJ-43W730Eをチョイスしました。
有機EL・4K等高スペックを見たらキリがないためごく一般的な価格帯からのチョイスです。
定価
SONYストアの価格で約70,000円。メーカー保証やポイントなどの特典はあるものの、これが一番高い市販価格です。こちらの製品(家電に多い)はオープン価格で流通していますが、メーカーのストアでの販売価格が定価のようなものと考えてよいでしょう。
新品最安
続いて通販や家電量販店での同商品の最安価格はこれ↓
各販売店がこぞって価格競争をした結果。
さらには在庫や仕入れ状況などあらゆる事情を踏まえ設定された販売価格がこのディーライズさんの49,800円。
ソニーストアと比べると実に20,000円程の価格差があります。
安いですね。買う場所が違うだけでこんなにも値段が違うんですね。
ヤフオク新品
それではヤフオクなどの個人売買サイトではいくらでこのKJ-43W730Eの未使用品が取引されるのでしょうか。
ポイントは一度人の手に渡った2次流通という点です。
上記の画像は、別記事でもご紹介したオークファンという過去のヤフオクの取引価格を参照できるサイトです。
開始価格が設定されているとはいえ、実際に落札された金額としては40,000円~43,000円でした。
言い換えれば、例えばあなたが昨日70,000円で買ったTVは返品できない場合、40,000円ちょっとにしかならない。という事です。
それを逆にいえば、メーカー直販で買うよりも30,000円程お得に購入できることもあるという事です。
中古相場
同様にオークファンでKJ-43W730Eの中古品の売買価格を調べていきます。
調べてみると2017年より長きに渡り製造されていたモデルのようで、使用年数により価格にばらつきがありました。
今回は定価から見た値段の下がり幅ですので、2021年製のモデルに絞って中古品を調べていきます。
いかがでしょう。中古品の2021年製のKJ-43W730Eがおおよそ30,000円程で落札されています。これが2次流通における中古品の相場というものです。
このKJ-43W730Eのように比較的新しいモデルであったとしても、定価の半額以下程度の中古相場しかありません。
買取価格
ではこの中古相場30,000円程のKJ-43W730Eをリサイクル店はいくらで買い取るのでしょうか。
僕の経験ですと、新しい家電製品の場合は売値(相場)の5割以上の値が付きます。
かつ家電製品の中古相場というのはかなり堅く相場通りに売れてくれるため、相場の7割位出す業者もいないこともないです。
したがってこのKJ-43W730Eの買取相場としては15,000~20,000円程となります。
2021年に製造された定価70,000円(新品最安50,000円)のTVは中古買取だと、その2.3割程度の買取となってしまうという事が分かりました。
実例 Hisense 液晶TV 43P615の場合 中国発の新鋭ブランド
続いてご紹介するのが、大手家電メーカーとは対極のリーズナブルが売りのブランドHisenseの43P615 です。
大手ブランドのSONYとの比較としてどのような値段の下げ幅となるのでしょうか。
定価
こちらの商品はメーカー直販ページがなく、完全なオープン価格でした。
右画像はメーカーHP抜粋です。
各量販店が正規販売店として値段を設定しているようです。
新品最安
ネットでの最安は価格コムで参照で約45,000円という事が分かりました。
メーカーHPに記載の販売店であるコジマやムラウチが最安ラインである45,000円で販売しているのには驚きでした。
ヤフオク新品
さすがにSONYのブラビアよりは流通量が少なく、未使用品と1度使用の中古品の2点しか過去には出回りませんでした。
未使用品の取引価格は35,500円
中古相場
上画像の通り、中古相場も1度使用で32,500円でしたが、使用の度合い・今後の流通を予測するとさらに下の価格で取引がされるでしょう。
買取価格
買取で重要なのが今後の相場の推測、ブランドのネームバリューです。
SONYのブラビアも30,000円で売買されてはいましたが、玉数が圧倒的に多く、安定して30,000円で売れると考えられます。
対してこのHisenseは1点のみしか中古品が出回っていないため、次同じような商品が出回った際はネームバリューを鑑みても30,000円で売れる保証は低いでしょう。
そのため、同じ30,000円位の相場でも買取に出せる金額としては3~5割程度の10,000円~15,000円位なのではないかと思います。
同じ中古相場でも再販時の価格の安定度からどうしても査定額はSONYや国産メーカーに軍配が上がります。
まとめ
今回は生活家電の中でも、家に複数台所有する家庭も多い事から、比較的売買されやすい商材としてTVをご紹介しました。
もちろん人気不人気により、相場や買取価格も変動はありますが品物の値段の下がり方を考察する上では多少参考になるのではないのかと思います。
買取店の相場観もケースバイケースなため、僕自身の主観で今回はご紹介させて頂きました。
別記事で高く売る為のコツをまとめてますので、良かったら覗いてみてください。
今後も他の商材を例にとり値段の下がり方や相場などをご紹介していきます。
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